Paradise on earth

2008.01.06 Sunday



































カンボジアの人々は一貫して人当たりが良い。気さくな民族だ。
日本人観光客が毎年数多く訪れる理由の中に、
こういった人間性も含まれているような気がする。
あと、夏の匂い。昔、すぐそばで嗅いだ土と草の匂いが、
何とも言えぬ懐かしさを誘い出す。

2日目の朝、
アンコールワットまで日の出を拝みに出かける。
夜も明けきらぬ町をバスが走る。
早朝のアンコールワットは、清々しい空気の中で
どっしりとその姿を構えている。
徐々に空が白んでゆき、黄金色した太陽が顔を覗かせた。
カンボジア、アンコールワットの1日の始まりだ。
谷川俊太郎の詩「朝のリレー」が思わず浮かんだ。

 僕らは朝をリレーするのだ
 軽度から軽度へと
 そうしていわば交替で地球を守る

太陽は平等に光を注ぐんだな、とまた改めて思う。
美し過ぎる光景に息を呑む。

朝食をすませた後は、アンコールトムとその周辺遺跡へ。
細かに刻まれたレリーフが語る歴史を、
ひとつひとつなぞるように進んで行く。
そこにあったのは激動の時代か、または穏やかな時代か、
ちりばめられた話を目で読んでゆく様が
カタチの違うパズルを組み合わせていくみたいで面白かった。

気の遠くなるような作業をいくつも積み重ねて
ここで生きていたという証を
時を超え国境を超えて多くの人々に伝えてゆく。
遺跡群の魂は果てしない宇宙となり、今も生き続けている。

今度は夕日の沈むアンコールワットを眺めようと
プノン・バケンの急な山道を徒歩で登る。
到達した頃にはもう身体はくたくたで
日が沈むまでのしばらく、足をだらんと投げ、つかの間の休息。
目を閉じて気持ちの良い風に吹かれながら
永遠のような時を身体中で感じていた。(少し居眠りした)

ぼってりとした夕日が地平線に沈む。
また明日、新しい朝をリレーする為に。

3日目の午後、車で1時間かけてトンレサップ湖へ向かう。
ここはベトナム移民が水上生活を送る場所でもあり、
茶色に濁った水や腐敗臭が、アジアンムードをたっぷりと漂わせている。
ボートに乗り、沖へと走らせる。
人々が生活を送る船が風景となって、まるで映画を観ているように流れてゆく。
沖へ出ると、どこまでも続く水平線が目の前に広がった。
太陽がオレンジ色の光を水面に放つ。汚濁した水面が眩しい。
ボートのエンジンを止めて、しばらく湖の上で漂う。
穏やかに揺られながら、このまま時が止まればいいのにと思う。


物乞いをする子どもに囲まれて、自分の非力さに落ち込んだりしていたんだけど
人間と言う生き物がむき出しで生きる国を目の当たりにして、
日本での隔たりの多さを知る。
きれいにデコレーションされた家の中で、
一体何が起こっているかなんて他人が知る由もなく。
単なる観光客のひとりの私に手を振ってくれるなんて素敵だなと思う。
子どもが本当に可愛いかった。みんな成長してたくましくなってほしい。
(すでに私よりは丈夫だと思うが)
カンボジアでは子どもも大人と同じようによく働く。妹や弟の面倒見も良い。
日本人が見習うべきところは沢山ある。 日本人がもう忘れてしまっていることも。


2004.1 カンボジア

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